編集ノート(協会CSOの視点)
本記事は“攻略”ではなく、未来技術が「人」に何をもたらすかを、現地一次情報+公式情報を基にやさしく解説します。
第1章:家族で再訪、大阪ヘルスケアパビリオンの“すいすい入場”体験
2025年8月19日、私は家族と一緒に大阪・関西万博を再訪しました。
会場は連日10万人以上の来場者で大賑わいですが、その中でも「未来技術と私たちの暮らしのつながり」を考える上で欠かせないのが、大阪府と大阪市が力を込めた 大阪ヘルスケアパビリオン です。
特にうれしかったのは、予約なしでも午前中はスムーズに入れたこと。
「いきなり万博気分!」という感じで、朝一から家族でゆったり楽しめました。
ただし、館内には予約必須の体験エリアもあります。
例:「リボーン体験ルート」「モンスターハンターブリッジ」「人生ゲーム付きリボーン体験」などは、公式アプリやサイトでの事前登録が必要です。そこは“未来の冒険心を体験したいパパやママ向け”のエリアですね。
一方、予約不要で楽しめる展示も充実しています。
たとえば、“iPS細胞のミニ心臓”やユニークな“人間洗濯機”、“ミライの食と文化”が揃うフードコートもあり、子どもと一緒に気軽に未来を感じられるのが魅力です。
つまり、
- 朝は「予約なしでもOKな展示からゆったりスタート」
- お昼以降は「予約制体験を狙うも良し」
というフレキシブルな楽しみ方ができるパビリオンなのです。

第2章:命の鼓動を目の前に──iPS細胞の“生きる心臓”
大阪ヘルスケアパビリオンの中で、ひときわ注目を集めているのが「iPSの樹・生きる心臓モデル」です。
展示の中央には、直径数センチの“ミニ心臓”があり、実際にトクトクと規則正しく拍動を続けています。人工的につくられた細胞が目の前で鼓動する姿に、大人も子どもも思わず息をのみました。わが家の子どもも「うわっ、本当に動いてる!」と目をまん丸にして驚いていました。
この研究の礎を築いたのは、2012年にノーベル生理学・医学賞を受賞した 山中伸弥教授。
iPS細胞(人工多能性幹細胞)を世界で初めて樹立し、再生医療という新しい分野を切り開いた人物です。会場では山中教授の映像紹介もあり、日本の科学が未来医療をリードしていることを実感できる瞬間でした。
実際、京都大学には山中教授が所長を務めた iPS細胞研究所(CiRA:サイラ) があり、一般の方向けに研究紹介や見学も行われています。興味を持ったら、公式ページを訪ねてみるのも良いきっかけになるでしょう。
「未来の医療って、本当にここまで来ているんだ」と、大人の私ですら胸が熱くなったほどです。
そして何より、この展示の魅力は“専門的な知識がなくても伝わる”こと。
「心臓が動くってすごい」――そのシンプルな驚きが、子どもにも「いのち」として、ストレートに届くのです。未来の医療を難しい言葉ではなく、“体験として共有できる”のが、この展示の最大の価値だと感じました。

第3章:AIコンシェルジュロボット「ミライア・リンクス」が教えてくれる未来の案内術
出迎えから体調チェックまで、一緒に未来を感じるロボット
大阪ヘルスケアパビリオンでは、AIコンシェルジュロボット「ミライア・リンクス」が案内をしてくれます。親しみやすいキャラクターと感情表現豊かな3Dヒューマンの姿で、私たちを迎え入れてくれます。全7か所に設置されており、混雑していても「ここはどこ?」「次どの展示行こっか?」という時にそっとサポートしてくれます。
世界の言葉で話せる、グローバルな案内役
日本語だけでなく英語、フランス語、韓国語、中国語にも対応。海外のお友だちとも同じロボットがコミュニケーションできるから、親子連れで言葉の心配も少なく楽しめます。
健康チェックがタッチレスで体験できる安心感
ミライア・リンクスには非接触型のバイタルセンシング機能も搭載。カメラを見つめるだけで、心拍・血圧・血中酸素・血糖値・乳酸値まで測定できるなんて、その先端さにドキッとする体験です。大人には優しいケア、子どもには近未来を感じる驚きになりますね。
雑談もOKな会話エージェントで、子どももニッコリ
「次はどこいけばいいかな?」はもちろん、ちょっとした雑談にも応じてくれるから、子どもが話しかける姿も微笑ましいかぎり。会場案内に加えて気持ちをやわらげてくれる存在です。
章まとめ:家族で安心、未来とふれあう案内ロボット
- 安心の案内役:迷った時に教えてくれる頼もしい存在
- グローバルに対応:言語の壁なく、誰とでも交流できる
- 健康にも優しい:非接触でバイタル計測できて安心
- コミュニケーションの楽しさ:雑談や相談にも喜んで対応
ロボットとの軽やかなやりとりが、万博体験を心地よく彩ります。
未来の医療を感じる展示だけでなく、“未来の案内者”とも出会える場所──それがミライア・リンクスです。

第4章:リボーンチャレンジ ― スタートアップが描く“身近な未来”
大阪ヘルスケアパビリオンの中でも、ひときわユニークなのが 「リボーンチャレンジ」ゾーン です。
ここでは、大企業ではなく中小企業やスタートアップが次々に入れ替わりで出展し、未来の暮らしを変える“ひらめき技術”を紹介しています。展示内容は期間ごとに入れ替わるため、訪問するタイミングによって出会える技術が違うのも魅力のひとつ。
私が訪問したときには、次のような展示がありました。
痛くない!針のない注射器
ガス圧を利用して薬液を皮膚に浸透させる、新しいタイプの注射器。
「注射は痛い」という子どもたちの不安をやわらげるだけでなく、医療へのハードルを下げてくれる優しいテクノロジーです。未来の医療が“怖くない・痛くない”方向に進んでいることを直感的に実感できます。
バイオプラスチック製パイプオルガン
1970年の大阪万博でも注目を集めたパイプオルガンが、環境にやさしいバイオプラスチックでよみがえりました。クラシックな音色が会場に響く一方で、「未来は地球と共にある」という強いメッセージを伝える展示です。
土に埋めると芽が出る歯ブラシ
使用後に土に埋めると自然に分解され、芽が出て植物になるというユニークな歯ブラシ。毎日の生活用品に“循環”を組み込むアイデアは、子どもにも分かりやすく「未来ってこういう工夫なんだ」と感じさせてくれます。
章まとめ:未来は“すぐそこ”にある
リボーンチャレンジは、大きな技術ショーケースではなく、生活に直結する“小さな未来”を体感できるコーナーでした。
訪問するたびに展示が変わるため、次に行ったときにはまた違う技術に出会えるはずです。親子で「今日はどんな未来に出会えるかな?」とワクワクしながら訪れるのにぴったりの展示ゾーンでした。

第5章:まとめ ─ 未来を学びながら、家族で安心して回るコツ
大阪ヘルスケアパビリオンは、難しい専門展示を「体験型」に落とし込み、親子でも自然に未来を感じられる工夫が随所にありました。ここまでご紹介した iPSのミニ心臓、AIナビゲーション、ミライア・リンクス、リボーンチャレンジ は、どれも“未来を身近に”してくれる存在です。
親子で安心して回るためのポイント
- 午前中が狙い目
予約不要の展示(iPS細胞やリボーンチャレンジなど)は、午前なら比較的スムーズに入場できます。子どもが疲れる前に体験できるのが安心です。 - 予約制は“1つだけでも”取っておく
リボーン体験ルートやモンスターハンターブリッジなど、予約が必要なコンテンツは無理に詰め込まず、1つだけ確保しておくと安心。予定にゆとりができ、子どもも飽きずに楽しめます。 - 展示の順番を工夫
まずはインパクトのある「iPSの生きる心臓」や「人間洗濯機」でワクワクを掴み、その後「リボーンチャレンジ」で身近な未来に触れると、子どもが飽きずに最後まで楽しめます。 - 会話を広げる工夫
体験後に「どんな未来が一番面白かった?」と聞くと、子どもは素直な気づきを話してくれます。たとえば「痛くない注射があれば病院行けるね!」など、未来の技術を“自分ごと”として考えるきっかけになります。
章まとめ
親子で万博を訪れるとき、大阪ヘルスケアパビリオンは 「学び」+「安心」+「楽しさ」 がそろった鉄板スポット。
大人は最先端研究に胸を熱くし、子どもは“未来って優しいんだ”と体感できる――そんな時間を過ごせる場所です。
FAQ
Q. 子連れでも楽しめる?
A. はい。体験中心なので幼児でも直感的に楽しめます。冷房が効いた屋内展示が多く、夏でも安心です。
Q. どんな人におすすめ?
A. 科学や医療に興味がある方はもちろん、「子どもに未来を体感させたい」というご家族にも最適です。
Q. 混雑は?
A. 人気展示ですが、時間帯をずらせば比較的スムーズに入れます。公式アプリでの最新情報チェックがおすすめです。
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EXPO2025|未来技術×世界のパビリオンまとめ おすすめ/モデルコース/子連れのコツを一つに集約※最新の追記はハブ記事に集約しています。ブックマーク推奨です。
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