MENU

EXPO2025大阪・関西万博|未来技術と世界のパビリオンを歩く+子連れ安心ガイド

目次

第1章:大阪・関西万博で出会う「未来技術」と「世界」

2025年8月19日、私は家族とともに大阪・関西万博を再訪しました。この記事は、その最新の体験を中心にまとめたレポートです。万博は日々10万人を超える来場者で賑わっていますが、とりわけ「未来技術」や「グローバルな取り組み」に関心のある方にとって、見逃せないパビリオンが数多く存在します。

国際メタバース協会は、2025年7月12日・13日に大阪・関西万博会場内「EXPOサロン」にて国際大会を主催しました。私は営業統括CSOとして運営責任者を務め、多くの国内外の登壇者を迎え入れる立場にありました。

その際には、登壇者である石黒浩先生のご厚意により「いのちの未来」パビリオンを特別にご招待いただく機会もあり、またサウジアラビア館についても関係者とともに公式に招待を受けることができました。

こうした特別な体験を踏まえつつ、今回は「一般来場者の目線での最新訪問」を中心に、未来技術と世界的な取り組みをどう感じられるかをお伝えしていきます。

大阪・関西万博2025 未来技術パビリオン|AI・ロボットの最前線
AI・バーチャル等の“未来技術”を体験できる注目エリア。

第2章:注目した3つの“未来体験”

いのちの未来 ― 石黒浩先生が描く50年後・1000年後

まず外せないのが、ロボット工学の第一人者・石黒浩先生が監修した シグネチャーパビリオン「いのちの未来」 です。
ここではAIと人間、そして50年後・1000年後の“いのち”の在り方について問いかけられます。

外観は水に囲まれた漆黒の建物。その中に一歩足を踏み入れると、アバターやロボットに導かれながら、人間とAIの共生をテーマにした壮大なストーリー体験が始まります。

このパビリオンの特徴は「知識を得る場所」ではなく、“体験を通じて考える場所”であること。
来場者は未来の生活シーンや、数十年・数百年先の人間社会を描いたドラマ仕立ての展示を通して、

  • 「人間とは何か?」
  • 「AIに“いのち”を託すことはできるのか?」

といった根源的な問いに自然と向き合うことになります。

私自身、7月に石黒先生よりご招待いただいたこともあり、この展示には特別な思い入れがあります。
しかし何より強調したいのは、ここが子どもから大人まで誰もが「未来を肌で感じられる空間」であるということです。まさに大阪・関西万博の思想的な中心と言えるでしょう。

大阪ヘルスケアパビリオン ― iPS細胞から未来の医療へ

次に注目したいのが「大阪ヘルスケアパビリオン」です。
ここでは、生命科学の最先端である iPS細胞由来の心筋シート を体感できる展示がありました。大阪府の公式サイトでも「iPSの樹・生きる心臓モデル」として紹介されているものです。

実際に会場で目にした直径数センチほどの「ミニ心臓」は、規則正しく拍動を続けており、その鼓動を前にすると「人工的につくられた細胞で、心臓が動く未来」がもうすぐそこにあることを実感します。子どもたちも「うわ…動いてる!」と驚き、分からないなりに“生命のすごさ”を感じていたようでした。

この研究の礎を築いたのは、ノーベル賞を受賞した 山中伸弥教授 です。会場の映像にも登場しており、日本が世界に誇る科学者の成果がこうして目の前で動いているのだと思うと、胸が熱くなりました。まさに「未来医療の原点」を見た瞬間でした。

そのほかにも、パビリオンを案内してくれるAIナビゲーションや、針を使わないガス圧式の注射器など、来場者が親しみやすく未来を想像できる展示が並んでいました。ただ、やはり一番強く心に残ったのは、iPS細胞の“生きる心臓”だったのです。

大阪・関西万博2025 ヘルスケア系パビリオン|未来のウェルビーイング体験
未来の健康×テクノロジーを親子で学べるウェルビーイング体験ゾーン。

パナソニック「ノモの国」 ― 自分だけの感覚が動き出す空間

最後に紹介したいのが、パナソニックグループパビリオン「ノモの国」。「Unlock your nature(あなたの中にある自然を解き放て)」をテーマに、来場者一人ひとりの心と体を刺激する感覚体験型の展示空間です。

来場者は「結晶(クリスタル)」型のデバイスを手に取ると、周囲の光や音、霧、映像といった空間演出がリアルタイムに反応して変化する、不思議な“冒険”に誘われます。まるで自分の気持ちや行動がそのまま世界に映し出されたかのようで、子どもも大人も驚きとわくわくの表情を浮かべていました。

さらに、顔認識や動作分析をもとに、一人ひとりの個性や可能性を“蝶”として映像化する演出も。子どもたちは「こんな性格の自分がいるんだ」と、自分自身と未来をつなぐ小さな発見を楽しんでいました。

そして出口付近には、エネルギーをテーマにした「発電ガラス」の展示も。子どもたちが光を当てると、ピアノの音が鳴ったり、ボールが転がったり、観覧車が回ったり――仕掛けが次々と動き出す様子に大はしゃぎでした。小さな驚きの積み重ねが、「未来って楽しい!」という実感を与えてくれるパビリオンでした。

大阪・関西万博2025 NOMAの国パビリオン|子どもと体験できるアクティブ演出が充実
NOMOの国——親子で“探究”を楽しめる体験型の見どころが多く、家族連れにおすすめ。

第3章:未来と世界をつなぐ国パビリオン — 文化の香りとグローバルな挑戦

万博のもうひとつの醍醐味は、各国が自国の文化やビジョンを体現したパビリオンです。そこでは「未来技術」ほどの派手さはないものの、グローバルな課題解決や環境への取り組みといった、別の角度から“未来”を感じ取ることができます。

私自身の印象は「強烈な感動」というよりも、文化の香りを空間として味わう体験でした。しかし、それこそが世界博の本質のひとつであり、国ごとの価値観や未来像を並べて体感できる場は、他にありません。

サウジアラビア館 ― 異国の雰囲気に包まれる、未来と文化のシアター

広い敷地にどっしりと構えたサウジアラビア館は、まるで迷路のような小道を抜けると突然大きな劇場空間が現れ、思わず「おおっ」と声が出るようなつくりになっています。ここでは巨大なパノラマ映像や、触って楽しめるインスタレーション、音や光の仕掛けが一体になっていて、文化ストーリーが映画みたいに語りかけてくるんです。

印象的だったのは、民族衣装に身を包んだスタッフのみなさん。笑顔で迎えてくれるだけで、その場が一気に異国の雰囲気に変わるんですよね。展示の中で流れるサウジの海のシーンもとてもきれいで、砂漠のイメージが強かっただけに「こんな海もあるんだ!」と驚きました。

さらに、環境への取り組みにも力を入れているのがこの館の面白いところ。屋上には太陽光パネルがずらりと並び、省エネ性能は国内最高ランクの認証をクリア。建物自体が“未来を意識したデザイン”になっているんです。

サウジアラビア館は、単に文化を知るだけでなく「伝統 × 未来 × サステナブル」を同時に体験できる場所。正直、深く考えるというより“雰囲気を楽しむ”感じでしたが、それこそ万博ならではの楽しみ方だと思います。「次はどんな世界が見られるんだろう?」とワクワクさせてくれるパビリオンでした。

UAE館 ― 木のぬくもりと涼しさに包まれる“寄り道スポット”

アラブ首長国連邦(UAE)のパビリオンは、なんといっても並ばずにすぐ入れたのが嬉しかったポイント。人気の館が多い万博の中で、スッと中に入れた瞬間、「おお、これはラッキー!」とちょっと感動しました。

中に入ると、まず目に飛び込んでくるのが木でできた柱や空間のデザイン。ヤシの幹の廃材を再利用したり、自然素材を組み合わせたりと、“伝統 × 未来”を感じさせる工夫があちこちにちりばめられています。木の香りや質感も相まって、とても落ち着いた雰囲気でした。

展示の途中には、UAEの文化や国の特徴を伝える映像が流れていて、立ち止まって眺めるだけで「なるほど、こんな国なんだ」と分かりやすいのも良かったです。

そして、何よりありがたかったのが涼しさ。真夏の万博はどうしても暑さとの戦いですが、ここは自然と空気がひんやりしていて、まさに“オアシス”のような休憩スポット。文化を味わいながら涼める、ちょっとした寄り道にぴったりのパビリオンでした。

コモンズエリア(Commons A / D / E)―“世界をひと巡り”できるお得な回廊

万博の真ん中あたり、ふと疲れたときに自然と足が向くのが、Commons(コモンズ)エリア。

まずおすすめしたいのは、東ゲート近くにある「Commons A」。ここはアクセスが抜群に良く、暑さの厳しい日でもスッと入れて涼めるので、休憩スポットとしてとても便利です。展示はコンパクトにまとまっていて、「気になる国を少しずつ味見する」ような感覚で、回遊する楽しさがあります。

展示数が多いため全部をじっくり見るのは難しいですが、短時間で世界を旅しているような気分を味わえるのは魅力のひとつ。

一方の Commons D は、西ゲート近くにあって立地的にアクセスしやすく、「ちょっと世界をのぞいてみようかな」と思ったときにぴったりの場所です。ここには キューバ、ナイジェリア、パキスタン、モンゴル、ラオス、カメルーン など25カ国のパビリオンが並び、少し並ぶこともありますが、それだけ注目度も高いということ。異国の文化を一気に感じられる“まとめパビリオン”のような楽しさがありました。

子ども連れで訪れるなら、「どの国が面白そうかな?」と一緒に探すのもいいですし、スタンプラリーの拠点にもぴったり。ひんやりした空間でちょっと涼むだけでも、次のエリアに向かう気力が戻ってきます。

このように Commonsエリアは“文化の回廊”。未来やテクノロジーのパビリオンとは少し趣が異なりますが、「寄り道」感覚で立ち寄ることで、世界の広がりを手軽に感じられるのが魅力です。

第4章:子ども連れにおすすめの回り方

万博は「暑さ・待ち時間・体力」が勝負。親子で無理なく楽しむために、実体験ベースで要点だけをまとめました。

  1. まずは“涼める拠点”を押さえる

    • Commons A(東ゲートそば):出入りがスムーズで涼しい。次の行き先を考える“待避所”に最適。
    • UAE館:木の柱に包まれた落ち着いた空間+文化映像。並ばず入れることが多く涼しいので小休止に◎。
    • 給水所:水は無料で汲めるが行列になりがち水筒持参がラク。
    ミニTIPS:食べ物・飲み物は持ち込みOK。熱中症対策は“こまめに涼む”が正解。
  2. 並ばなくても楽しめるスポットを混ぜる

    • UAE館:短時間で文化と映像を体験。「今日は行列ムリ…」という時の切り札。
    • Commonsエリア:各国を“チラ見”できる回廊。Commons Dキューバ/ナイジェリア/パキスタン/モンゴル/ラオス/カメルーンなどのブースが集まり、少し並ぶが涼めるので休憩がてらに◎。
    回し方のコツ:並ばない館体験系また涼む」のリズムで消耗を防止。
  3. “遊び=学び”になる体験を入れる

    • ノモの国(パナソニック):手に取ったクリスタルで光・音・霧が反応/蝶の“性格”演出が子どもに大ヒット。出口の「発電ガラス」は光を当てるとピアノ音・ボール・観覧車のギミックが動き、達成感◎。
    • 大阪ヘルスケアiPS細胞の心筋シートが規則正しく拍動=「生きてる!」と実感。AIナビ/ガス圧式注射器の展示も“未来の医療”をイメージしやすい。
    親的メリット:体験の“手触り”が強く、帰宅後も会話が続く=記憶に残る。
  4. 持ち物はシンプルに

    • 必須:水筒/帽子/日焼け止め/おやつ
    • 状況次第:サングラス・携帯椅子(長時間並ぶ人向け)

    💡 我が家は「並ばない作戦」だったので椅子は未使用でした。

大阪・関西万博2025 くらげ館パビリオン|幻想的な光演出で写真映え
並ばず入りやすい、小さなお子さま連れにもやさしい導線設計。

第5章:訪問のコツ&実践的アドバイス

① 動線で勝つ:近いパビリオンを“セット”で回る

会場が広いので、地理的に近いパビリオンを束ねて計画するのが正解。移動時間と体力を節約できます。

  • 例:もしパナソニック「ノモの国」の予約が取れたら、住友館三菱未来館大阪ヘルスケアを同じブロックで狙う。
  • NG例:予約1本だけが西ゲート付近など離れた場所にあると、移動負担が一気に増えます。
クイック手順:(1)予約確定パビリオンを地図で確認 →(2)半径10?15分で行ける候補を3つピックアップ →(3)「予約あり1+予約不要/短待ち2」を軸にルートを作る。

② 予約ナシでも入れる可能性を“事前に”チェック

  • 大阪ヘルスケア:実体験として、予約なしでも昼頃に入場できた。直前で様子見を。
  • 住友館:LINEのQRから定期抽選。当選すれば入場可。(私は3回チャレンジして未当選)

「予約が取れない=行けない」ではなく、“入れそうな館リスト”を持っておくと当日の判断が速くなります。

③ 事前予約の現実:1枠あるだけで全てが楽

  • 2か月前:比較的当選しやすいという体感・傾向。
  • 1週間前落選が多め。私はここでノモの国のみ当選、他は落選でした。

人気館の予約を1本でも確保しておくと、行列を避けられ、全体の回りやすさがグッと改善します。

④ 代替プラン(A/B/C)を用意

  • プランA:予約館 → 近接の短待ち館 → 休憩(CommonsやUAE)
  • プランB:予約落選時。大阪ヘルスケアの状況を確認し、ノモの国→発電ガラスなど体験系で満足度を底上げ。
  • プランC:猛暑・混雑時。涼しい館→映像系→Commonsで休憩のループで消耗を抑える。

⑤ 公式アプリを使い倒す:EXPO2025 Visitors

EXPO2025 Visitors アプリは、親子での回遊を一気にラクにしてくれる“必須ツール”です。出発前に入れておきましょう。

  • 現在地がわかる: 会場内で自分の位置が地図上に表示され、迷いにくい。
  • 地図が見やすい: ゲート/ブロック感覚で俯瞰でき、近いパビリオンを束ねやすい。
  • 「予約なし」パビリオンMAP: 事前予約が要らない館を地図でチェックでき、当日の代替プランが立てやすい。
使い方のコツ:
  1. 自宅でアプリをセットアップ(家族の見たい館を事前メモ)。
  2. 現地では現在地→近接候補3つを即チェック。
  3. 予約なしMAPで入れそうな館を1つ差し替えて、ムダ待ちを回避。
注意: GPSでバッテリー消耗が早め。モバイルバッテリー持参推奨。
メモ:現地調達の食事・デザートは並ぶ覚悟。軽食と水筒を持ち込み、買えたらラッキーくらいの心づもりで。

第6章:まとめ

万博は「全部を見よう!」と欲張ると、どうしても体力的にきつくなります。
でも、事前予約を1つでも確保しておき
その周辺のパビリオンをセットで回れば、ぐっと効率よく楽しめます。

さらに、CommonsやUAE館のような“涼める拠点”を途中に挟むと、
暑さ対策も安心です。

子ども連れでも大人だけでも、ポイントは「無理せず寄り道感覚」
世界の文化や未来のテクノロジーを
“ちょっとずつ味見する”くらいの気持ちがちょうどいい。

その積み重ねが、気づけば大きな体験につながります。

💡 「今日はこれが見られた!」という1つを大切にすると、満足度は想像以上に高まります。

結論:
万博は “計画7割・余白3割” がベストバランス。

自分や家族のペースに合わせて、
寄り道しながら世界を楽しんでみてください 🌏✨

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

麻田 将司のアバター 麻田 将司 一般社団法人 国際メタバース協会 営業統括責任者 (CSO)

「メタバース探索ジャーナル」の運営を担当しています。
メタバースに関する知識のハブとして、初心者から専門家まで幅広い読者に役立つ情報をお届けすることを目指しています。

現在は、特に初心者の方にも理解しやすい記事作りに力を入れ、メタバースの最新トレンドや体験を分かりやすく伝えるコンテンツを発信中です。信頼性を重視しつつ、メタバースの可能性を多くの方に知っていただけるよう努めています。

「この記事が役に立った」と感じたら、ぜひSNSなどでの拡散をよろしくお願いいたします!

コメント

コメントする

目次